【持ち家】土地から探す人へ。


持ち家を購入するまでにえらく時間を費やしてしまった我が家。
モデルハウス、中古戸建、新築マンション、中古マンション、建売と、見学した物件は200件近く。戸建て新築、中古リフォーム、マンションと多角な視野で検討しました。
「立地」よりも「おしゃれな家」願望で出発した家探し。気にしていた条件を振り返ってみました。

断熱材問題

とにかく暖かい家に住みたい、雪国生まれなのに除雪後手後手タイプ寒がりの筋肉0系夫。
寒さなんてどうにかなるさと、中古でもとにかく古民家風かナチュラル系な木の家に住みたかった私。そんな基本面倒くさがりな夫婦が「おしゃれな個人建築事務所」で家を建てようとしたことが購入まで、長い時間を要してしまった主な原因でした。

暖かければ、見てくれなんてどうでもいい夫と施工会社をすり合わせることから一苦労。
ようやく2、3社に絞って、見学会に行き始めるも、10年近く前の「暖かい家」は、今より少し特別感あって、屋根裏に妙な装置が設置されていたり、エアコンしか使えなかったりと、いろいろ縛りがあることに加え、定期的なメンテナンスでランニングコストが気になるようなプレミアム仕様が少なくありませんでした。

冷暖房効率の点で、断熱材の素材や性能、工法は非常に重要ですが、近年は性能もアップ、「暖かい家涼しい家」と特記せずとも高断熱の家がスタンダードとなってきているため、よほどのダメダメーカーでなければそれほど寒い家にはならないと思います。ただダメダメーカーはそれなりに存在するので注意は必要です。

水道管の質と径

「築年数がそれなりに経っている物件は鉛含有水道管が使われている可能性があるので、お子さんがいるお宅にはお勧めしません」と、言われたことが何回かありました。
また、水道管の径も、新しい住宅のものより昔の家は細いらしく、詰まりやすいとも。
インフラ設備は目に見えないので、素人で判断するのが難しく、交換や補修工事となった場合の費用は高額になること確実。それを入居時から気にしながら生活するのはモヤモヤ度マックスなので諦めました。
教えてもらわないと見落とすようなことばかり。
外装内装のレトロ感はバッチリでも生活するためにの設備はある程度新しいものでなければ安心できません。
中古住宅を「安く」「条件良く」購入するハードルは地方でも意外に難易度が高く感じました。

高圧線問題

健康被害がある、ない、と常に言われている送電線や高圧線鉄塔付近の土地。
誰でもスマホな時代、電磁波抱えて寝ているわけなので、それほど神経質にならなくてもよいのでは?と思うものの、やっぱり気になるのでやめました。
送電線が窓から目立って見える物件も遠慮しました。
電力は生活に欠かせない大事なインフラなので、仕方がないことなのですが心理的モヤモヤを抱えて過ごすことはストレス、元電圧線鉄塔ま隣賃貸に住んでいた友人の話を聞くと、ごもっともな意見だと納得。

両隣はどんな人が住んでる問題

地方とはいえ、中心地に近くなればなるほど、両隣との距離はキツキツな50坪以下での分譲が多くなってきます。中古だとボウボウの木が敷地までかなりはみ出していたり、不要品が積み上げられていたり。そんなお宅が隣だと、入居前から気分が萎えるので遠慮しました。
ちなみに今の住居の360度は、オフィススペースが6割、お隣はガーデニング好き、きれい好きな品の良いシニアのご夫婦。長生きして欲しいです。

前面道路は公道か

積雪

雪降り県なので、山間部でなくとも、冬期はそれなりの積雪となり除雪車が出動しています。
この除雪車、当たり前と言えば当たり前なのですが、公道でないと入ってきてくれません。
前面道路がどんなに広くても、私道だと自力除雪となります。これは雪国在住者にとってかなり重重要案件。
新しく造成した土地の道路は広くなってきていますが、道路幅が4mを切ると駐車時、車を切り返してバックで入れる際も大変です。

駐車場問題

時間をお金で買う

地方で車を所有することはまさにこのこと。
車を手放せば、どんなに家計費用削減になるか。
また、環境保全になるか。
子どもの頃から親からの送迎に当たり前だった上、公共交通機関がそれほど発達していない地方で車に乗らない選択はかなり厳しいです。かなりの行動制限と、本数の少ないバス電車を駆使しての移動は何か行動を起こすとき、1日仕事となってしまいます。
その駐車するスペースですが、自分も乗れば他人様も乗っているわけで、マイカー分だけを確保すればよいというわけではなく、来客用に1~2台は確保しておかねばなりません。
来てくれた家族知人友人の車を路駐、もしくは近隣のスーパーの駐車場に無断駐車させるのは小心者の私はできません。

三方抜けているか

当時住んでいた賃貸が三方駐車場に面していて、行き止まり。
住宅地の中なのに三方抜けているような場所でした。
工務店オーナーさんによると、そのような土地は非常に贅沢だとのこと。
背中合わせで両隣ぴったり、唯一空いている玄関前は車が常に駐車中では戸建てとは言え、息が詰まりそうです。
家屋だけでなく、駐車場で上部は空いているとか、向かいの建物がオフィスで夜は無人になるとか
全てみちみちに詰まっていない、抜け感が四方のどこかにあることが望ましいと思います。

ゴミステーションまでの距離と仕様

集合賃貸住まいの頃は、敷地に専用ゴミステーションがありました。
ところがどっこい、戸建てとなると場所によってはびっくりするくらい遠くなることがあります。
ゴミ収集庫も折りたたみ式のものを収集日の度に組立て、収集後に撤去しなければならない地域ルールが存在することも少なくありません。簡易式タイプのものはカラス被害にあいやすく、残骸掃除付き、なんてことが日常茶飯事なんて気が遠くなります。戸数の少ないブロックでのゴミ当番頻度では侮れないものがあります。

バス停や駅まで近い

飲み会、出張問わず、地方でもマイカー通勤でも近いにこしたことはありません。
バス停もポール1本タイプではなく、雨風避けられる屋根付き停留所希望。

防災マップで低地水没地点ではない

100年に一度でなくとも、昨今の集中豪雨や暴風は映画級なものを感じます。
明日は我が身と、肝に銘じるとともに、事前に少しでも危険回避したいところです。

第一種低層住宅地

土地には用途地域といって建ててよい建物の規制がかかっています。
静かに過ごしたい住宅地なら高層の建物や商業施設が建てられない第一種低層住宅地という用途地域を選んだ方が良いと思います。
選んだとしても、個人商店や低層アパートなどは建設可能なので何とも言えないのですが、道1本挟んで準工業地域だったり、近隣商業地域だったりすれば、マイホーム取得後に近隣が買収されて落ち着かない環境になってしまった!なんてことがないように注意したいところです。

数年後に訪れる修繕問題。請け負ってくれる業者はどんな人?

新車同様、新車購入までのメーカーの営業さんはすごくマメで優しい。
自動車が基幹産業の日本で、新車売り上げ台数が大事な数字同様に、新築着工数も経済情勢を語る上で非常に重要な数字。
ところが購入後3年も過ぎれば実に寒々しい関係に。
賃貸VS持ち家で劣勢になる部分の大きな要因の1つがこの修繕。
友人のご実家を建てた業者さんは倒産してしまい、リフォーム諸々の業者さんを自力で探さなくてはならず、大変だったとか。
仲介してもらって外部業者との取引になるのか、直接取引可能なのか、知り合いの業者さんに依頼した場合は補償はどうなるのかなどは、事前に確認することが重要です。

かつ、予算以内。

青天井な予算ならなに1つ問題なく即決クリアーなマイホーム問題。
庶民には予算の上限があります。
賃貸では発生しなかった未来の修繕費用も見込まなければいけません。
購入費用以外に、火災保険に加入したり、家具の購入費やアンテナの設置費用、外構工事費など諸費用が諸々発生しました。

結局は立地だった


上記の件、気にならない人は全く気にならないわけで、どうでもいいことなのです。
それほど急いでいたわけではなかったので、のんびりスタートした家探しでしたが3年目以降ともなると疲れてきました。

そこで我が家のファイナルアンサー。
以上の件を備えてさらに職場へ近いこと。
インテリア重視の家屋は二の次となりました。(´ー`)

よほどのコネがない限り、個人で「建築条件なし」の良い土地を手に入れることは非常に難しい。
実際、上記の件を不動産屋さん、住宅業者に述べると皆さん、無言になりました。

個人設計事務所は人が少なく、あくまでも「家」をデザインする所、そこまで親身に土地を探す時間的余裕がありません。
なので最初は拒絶反応を示した中堅住宅メーカーさんにお願いすることにしました。
いい場所に建築条件付き分譲地を抑えることで有名でした。
有力なコネクションがあるのでしょう。
多区画分譲地でない土地で、そのメーカーさんの基本モデルプランで購入することにしました。
凹凸の箱のような無い間取りです。こだわりのインテリアは自力で、センス?で実現することにしました。
断熱を売りにしている業者ではありませんが、暖かさについては、こんなものかと許容範囲で満足しています。

家は減価償却されていきます。
仮に10年住んで、20年住んで、土地抜きでこれだったら、の数字が皆さん誰にでもあると思います。売却時の価格を決めるのは土地の値段。
地方では少し郊外へ走ると、更地、空き家が現実として目立ってきています。
売りたいときに売れないと困るのです。

最後に

経年劣化がサマになる家がいいなぁとずっと思っていました。
びっくりドンキーの店舗のような?感じ。
憧れの天井までの窓は、断熱性や紫外線を考えると厳しくなりました。
メンテナンスが、業者さん頼みになる掃除ができない高所のガラス窓は、汚れっぱなしになる確率が我が家では必須。
これは結構ストレス。
他にも雨水の浸入や白アリなどリアルな問題続々。

行った先の眺望が素晴らしい、ある水辺のオープンハウスの営業さんが
「この景観が毎日見られるなら津波にあってもいい」との言葉に、私もどちらかというとそういうタイプなので、共感したのですが、夫はリアリストなので全く響かず。
海が近いと車がサビサビ、防砂林の花粉もすごいとの声も聞こえてきます。

自分ではなかなか難しい家のメンテナンス。
モノの値段も上がれば、人件費も工賃も上がってきています。
マイホームを所有するということはメンテナンスと並走すること。

人生、家のメンテだけではないので身の丈に合ったマイホームで満足するしかありません。
今、家探しをしている方、妥協点までめげずに頑張って下さい。





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